OMRとは?スキャナーとの違い
マークシートは、OMRという専用装置で読み取って初めて高精度を発揮します。
ミスの無い、確実な集計を実現させるためには、専用機であるOMRが必須です。
スキャナーとOMRについて弊社で行なった読み取り精度の検証結果、具体的な読み取りエラー例をご紹介いたします。
OMRとは?
OMRは、Optical Mark Reader(光学式マーク読み取り装置)の頭文字です。
「OMR機器+OMR用ソフト」で実現できる事
×:数字の認識
×:文字の認識
×:画像の取り込み(HybridOMR機は〇 )
〇:マークの認識
OMRは、マーク読み取りに特化した専用センサにより、安定した読み取りを提供します。
OMRは、マークシートに鉛筆で記入されたマークを光学的に読み取り、パソコンへ瞬時にデータ転送する装置です。
読み取りデータは、短時間で正確に目的用途に応じた分類加工ができますので、試験の採点集計はもちろん、アンケート調査や勤怠管理、各種商品の受注業務などに幅広く活用されています。(オプションでボールペン対応可)
OMRのしくみ
光センサがマークシートのタイミングマークを目印にして塗りつぶされたマークの位置を直接認識します。
マークに光を当て、その反射を読むことでマークの有無を直接認識しています。
この直接認識する点が、スキャナーには真似のできないOMRの特長です。
このOMRのしくみは、適切にマークが塗られていれば、マーク読み取り精度は99.99%を超え、読み取りミスは無いと考えて問題ありません。
なので、国家試験などの絶対にミスがあってはならない場面ではOMRが使用されています。
このマークの位置を正しく認識するためには、マークシートの設計精度も重要です。
タイミングマークとマークの間隔が正確なマークシートであることが大前提です。
そのため、OMRには専用のマークシートが必要なのです。
マーク濃度検出の「感度設定」は16段階
マークの濃さは、マークシートをOMRで読み取った時点で自動的に「1~16」のレベルに分けられます。薄い程レベルが「1」に近づき、濃い程「16」に近づきます。
読み取りソフトで、感度設定を「3」にするとレベル3以上のマークを読み取り、レベル「2」、「1」のマークは読み取りません。
つまり、うすいマークを無視します。感度設定の数字を小さくするほど感度が高くなり、うすいマークを読み取ります。
消し残しや汚れによる濃度レベルは「1」や「2」で読み取られることが多いです。
そのため「感度設定」の初期設定値は「3」となっています。
OMR機器やマークシートについてもっと知りたい方は、以下も合わせてお読みください。
お客様に知ってほしい基本をQ&A形式でまとめた「OMRの基本」
スキャナーとOMRの違い
マークシートの読み取りは、スキャナー(or複合機)で良いと思っていませんか?
スキャナーはイメージ(手書き文字や写真)のデータ化が最大の特長であり、マークの読み取りには向いていません。
採点ミスゼロを追求する弊社の見解としては、マークの読み取りにはOMRしか考えられません。
お客様には、それぞれの目的にあった機器の選択をお勧めしています。
スキャナーのしくみ
「スキャナ+文字認識ソフト」で実現できる事
△:数字の認識(認識ミスがある為△)
△:文字の認識(認識ミスがある為△)
〇:画像の取り込み
△:マークの認識(認識ミスがある為△)
スキャナーは、印刷物に平面的に光を当て、平面的に読み取ったデータ情報を、dpiで指示された画像情報に再加工(又は間引き)して、画像をデータ化します。
スキャナーは、画像ファイルを作成したあとにソフトウェアでマークを探しています。
そのためスキャナーの読み取り精度は、画像搬送の成否が大きく影響します。
スキャナーの搬送ムラのイメージ
受信したファックス書類が読みにくかった経験はありませんか?
同様のことが、スキャナーの読み取りでも発生していると言えます。
最近では、専用用紙や専用読み取り装置が不要なスキャナーが、OMRと同じ精度を発揮できる等の宣伝文句が乱用されておりますが、スキャナーには読み取りミスを犯す危険が潜んでいます。
スキャナー(or複合機)でマークシートを活用するときにつきまとう「誤読」の危険性
「安い、便利、予算取りの必要もない!」という理由から、スキャナーや普通紙を使ってマークシート活用をされているお客様もいらっしゃるかと思います。
弊社としては、そのようなお客様にご注意いただきたいことがあります。
下記は、スキャナーや普通紙を使ってマークシート活用をされていたお客様が、OMRを選択しなおす理由にあげた誤読事例です。
マーク読み取り専用機ではないスキャナー(or複合機)では、精度に限界があります。
以下のような事例でお困りの場合は、OMRの使用をご検討ください。
スキャナー誤読事例 ① : 印刷時のゴミをマークとして誤認識してしまう
普通紙を使って学内印刷すると、印刷時にゴミが普通紙(マークシート)に付着してしまう場合があります。
その場合、スキャナー(or複合機)はゴミも画像化しマークとして誤認識してしまうことがあります。
⇒OMRなら・・・
OMRは、高速処理の際にも静電気が発生し難いOCR紙を推奨しているため、ゴミの付着などを防げます。
スキャナー誤読事例 ② : 消し残しをマークとして誤認識してしまう
ソフトに、消し残しを判別する機能があったとしても、スキャナー(or複合機)による画像を利用しているかぎり、目視では「消したマーク」と分かるくらいの濃さであっても、「塗られたマーク」として誤認識してしまうことがあります。
⇒OMRなら・・・
OMRは、光センサでマーク位置を直接認識できるうえ、「濃度差設定」でマークの消し残しも識別できます。読み取りしたらノーチェックで運用できる事。それがOMRの強みです。
スキャナー誤読事例 ③ : マークシートの一部分がまるまるデータ化されないことがある
スキャナーの場合、用紙搬送のムラやズレによってマークサイズが著しく縮むことがあります。
その結果、その部分のマークがデータ化されないことがあります。
⇒OMRなら・・・
OMRは、用紙搬送のムラはありません。
また、直接マークに光を当てその反射を読んでいるのでマークを読み落とすことはありえません。